さようなら三平さん


コンビニやら大手資本による各種サービス業の進出、それから大店法の余波を受けて、昭和からあったウチの近所の個人商店も激減したんだけど、なくなって気づいたのが、ご近所のもろもろの情報を個人商店と彼ら御用聞きがシェアしてたってことじゃないかね。あれって地域のゆるやかな紐帯に少なからず貢献していた面があったよね。


愚母:「このまえ消防車が何台もサイレン鳴らしてたけど何だったのかしら?」
三平さん:「ああ、あれ、一丁目のAさんちの御祖母ちゃんが天麩羅あげていてコンロから鍋に火がついちゃったんだって」
愚母:「大丈夫だったのかしら?」
三平さん:「隣のBさんがすぐに気づいて消火手伝ってあげて小さなボヤですんだそうですよ」


こんな程度の情報であっても周辺出来事を一応把握してをれば人間は安心するものであり、上のように何事か災難に遭ったご近所さんにバッタリ出くわした際はお見舞いの言葉のひとつもかけることができたという按配である。

もちろん、いまだったらプライバシー侵害問題に発展しかねない危なっかしさも抱えていたのだろうが、往時の商売人はそのへんの分別はキッチリつけていたみたいでR。。。