だよね。
昔一緒に仕事していた某氏は大の読書家で藝術にも詳しくまさに文化系という形容にふさわしい眼鏡男子だったんだけど、ある日クライアントのひとと空手談義でもりあがっていて、お互い同じ流派の黒帯だということを確認しあっていたのが耳に入ったんだよね。
「意外ですねー」って話に割り込んだら、「まあ事情がありまして…」って云うので、「えー事情ってなんなんですか?」って、俺はてっきり“恋敵が空手をはじめたから”とか“マッチョ好みの女子を好きになっちゃったから”とかそんな凡庸なところへ着地するに違いないと聞き流し態勢でいたんだけど、じつのところ彼は、のちに酷い事件をやらかしてマスコミをにぎわした集団のメンバーと同じ学校に通っていたということで、「奴らの標的になったら地獄の学校生活を耐え忍ぶか、あるいは、あっさり転校するしか途がなかったので、何人かの仲間と『おれたちは格闘技で身を守ろう』ってことになって切磋琢磨したんですよ」「まじ、大袈裟じゃなくて命がけの気持だったんで俺みたいなのも黒帯とれたんですよ・・・」との裏事情を苦笑まじりに話し始めるので、クライアントさんも俺も「うへえ」とばかりに話柄を別方面に転じたんだよね。
でも今更ながらに思うのは、そんな獰猛凶悪なホモサピエンスを学校空間に放し飼いにしていた大人連中って一寸頭のねじゆるみすぎーってことだよね。。。まあ、地域性があるから土民の野蛮耐性がどのくらいの濃度なのかって外から来た人間だとなかなか上手くつかめないとは思うんだけどね。