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学生時代はバブル経済期にあたっていたが、おれには悲しい/苦しい思い出の方が多かった時代だ。
それでも“時代はこれからよくなっていく”という根拠のない楽観から免れることはなかった。愚学生だったのでプラザ合意(円高誘導)がもたらす向後の経済への暗雲などアンテナにひっかかってこなかった。これから輸出がたいへんになるという意見にふれることはあっても「でもまあ円が強くなるっていいんじゃね? 輸入品安く買えそうだし」程度の感想しか出なかった。
その“僕らはなんとなく明るい未来に向かっている”ムードを支えていた要因のひとつは間違いなくゴルバチョフの登場とペレストロイカであった。ホーネッカーと並ぶゴルビーの笑顔をみて「世界って変わるときは一気に変わるのだなー」とお気楽極楽な気持になれたもんだった。