NHK「ETV」インタヴュー:クロード・レヴィ=ストロース

昨日は、かのクロード・レヴィ=ストロース翁の誕生日だったことに気づきましたので、昔NHK「ETV」で放映されたインタヴュー(全2回)の録画ビデオを引っ張り出しまして鑑賞いたしました。レ翁の声優は糸博氏でした。
1回目は「自然・人間・構造」です。
 
2回目は「日本への眼差」です。

場所は翁のアパルトマンです。翁は「コンニチハ」と川田順造先生を迎えます
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アパルトマンからの風景及び翁の書斎です
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翁が好きな浮世絵は菱川師宣など早い時代の作品だそうですが、それらは美術館で鑑賞するもなので、私蔵コレクションとして鯰絵が開帳されました。これは、大地震被災後、庶民に冨を分配するよう上から命じられた分限者が尻の穴から黄金をひりだしている絵柄です
このお宝は、歌川国安国芳の「水滸伝」(馬琴)です。当作品はその藝術性の高さとともに、当時の日本人にとって支那がどうイメージされていたかを知ることのできる大変貴重な作品なのだそうです
前日のインタヴューで川田先生がお土産に贈った焼海苔を、早速日本式で炊いた御飯と一緒に堪能されたことを語っています。焼海苔と御飯の芳香から――まるで“プルーストのマドレーヌ”のように――佃島周辺を回游した東京(江戸)の思い出が想起されたそうです
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[追記] 申し訳ありません。ヴィデオデッキがジャンクに近い状態のため巻戻し/早送りを繰返すうちに構成の把握に混乱がありました。レ翁がはじめに開帳されたのは「水滸伝」の浮世絵であり、作者は国安ではなく国芳です。音の再生も芳しくなかったのでもう一度確認したところ“安”ではなく“芳”と聞こえました。なので、「水滸伝」と語られているのは「通俗水滸伝」シリーズを指示するものだと思われます。勘物に厳しい方々におかれましても何卒御海容の程御願い申し上げ益。