空を眺めるたびに思うのだが、古代人が幻視した靈獣の源泉はやはり雲だったのではなかろうか……。
ネットで知った Mitch Dobrowner という方の当作品のタイトルは Arm of God であるが、仮にわたしが撮影者だったら 龍( Dragon) 以外に考えられないだろう。

そげなことをば空想していたら正倉院裂の文様を観たくなったので、平凡社「太陽染と織シリーズ 正倉院裂 名物裂」(1977)を近所の図書館で開いてきた。
二十年前にお土産としていただいた名刺入の布地の意匠が紫地唐花文錦のコピーであることが分かった。
ずいぶん長い間それを使用していたのだが、抜け目なく・口やかましく・プライドの高い某クライアントと初対面した際に、「これはこれは……。おたくのような会社に正倉院裂の名刺入れを使うようなお方が入社してきたわけですか」と一発かまされたことを思い出した。

正倉院裂と飛鳥天平の染織 Jodai-gire: 7th and 8th Century Textiles in Japan from the Shoso-in and Horyu-ji 【国際版完訳英文付】
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