おぢさんになっても若者言葉を真似する事はままあれど、どうしても身構えてしまう要素があって、そいつは何かというと、謂うなればあたしらの世代以上にポップな殺伐さだ。

数年前の電車内で、どちらかというと大人しい感じの制服ブレザー女子高生が「殺すよオメー」などと叫んで相棒とふざけていたのに遭遇したときは感慨深かった。昔であればズベ公語である。普通の女子ならば「ぶっとばすよ」「蹴り入れるよ」あたりじゃなかったかな。。。まあでも、「妙齢の女性が『わたしヤバイわ…』などと口にするのを耳にするとドキッとします」なんて、志ん朝師匠も擽っていたな。「昔であれば鉄火場言葉ですよ」って。

そうではなくて、つくづく本格的な断絶を感ぜさせられるのは、「ごらぁてっめー」などの、男子によるお巫山戯としての胴間声なんだよなあ。彼らのそれは、あたしらの世代ではおふざけではなく本気で怒ったモードの声量・抑揚に聞こえてしまうのだな。

なので、マクドナルド等に寄る時は、なるべくそうした元気な若造たちから離れた座席を確保しているのであります。但し、女子高生同士は大抵話が面白い――というか話柄が男子よりも成熟している――のでポップな殺伐さも相殺され得ることから、この限りではありません。

これって立派な若者叩きなのだろうか。

バランスをとるために、同世代叩き、爺さん婆さん叩きも為すべきなのか……。それだと本格的な殺伐文・呪詛文を際限もなくものしそうなのでやめときます。