そうだった。
つい最近、後肢が一本欠損している野良猫が親しげにニャーニャーと身を寄せてくるので、「これは屹度相当お腹をすかしているのに違いない」と判断し最寄の100円コンビに駆け込んだところ、生憎その店はキャットフードを仕入れておらなんだ。

仕方ないので竹輪と蟹かまを買って再度野良猫のもとに近寄ると、奴さん暫く竹輪に鼻を近づけたり舐めたりしていたものの突然「なろーん」と一声あげて、そこから逃げるようにして去ってしまったのだ。もしかすると竹輪恐怖症だったのかい!?

それからというもの、「俺は野良猫一疋救うことができないのか」「仮令無いIQ絞って小難しい本を理解できたとしても野良猫一疋救えぬようじゃなんにもならないじゃないか!」と、かなり本気で歎くことしきりであったのであります。