平山夢明と京極夏彦のバッカみたい、読んでランナイ!
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そういえば上掲本には、向田邦子の「電話は息継ぎする」という言葉が紹介されますが、それが黒電話のことだとすれば、じつはあれって、最初の鈴が鳴る前に小さな音がするんですよ。
実際私も、部屋まで引っぱり込んでいた黒電話に無意識のうちに手を伸ばしていたことがあって、そのまま受話器に出てみると、まだ相手は傍らにいるらしき誰かと話していて、こちらから「もしもし」って云ったら「えっ!?」て大層驚かれたことがありました。「まだ呼び出し音、鳴っていませんよっ」て。
それで、友人たちからの架電が頻なる予定の別の晩に今度は意識して備えてみたところ、コールが始まる直前に、ほんとうに微かなんですが「コッ」とか「カ・ク」みたいな音が電話機本体内部で響くことに気付いたんです。
それ以降別の友人相手にも何回か試してみて、「えーなんで!?」と吃驚させてはひとり悦に入っていました。