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7歳までサンタの存在を信じていたというのは薄らバカの証左だろうが、TVコマーシャルは恰も事実のように商品を演出することがあるので完全に信用してはならないことを覚ったのは6歳のときだ。
当時、変身サイボーグ1号のオプション品である指令マシンのCFでは、マシンの命令に応じて、サイボーグが空高く飛びまわる勇姿が映し出されていた。
じっさい玩具店で検分したところ、空中を浮遊することは未知数ながらも、身体を動かしたりジャンプしたり、変身までとはいかないがボディー部分に何か変化を齎す効果があるに違いないと思い込み、すでに他に欲しい物があったにもかかわらず、それを猛烈に所望して、たしかクリスマスプレゼントに買ってもらったのだ。
もちろん買った直後に「嘘だったんだ!」と後悔し、同時に、それを見抜けなかった自分の未熟さを深く反省した。なので誰にも文句を言わず、己の知性の欠如を思い知らしめるリマインダーとして1年以上おもちゃ箱に入れておいた。そのうち電池が切れてただのゴミになり、気づいたら捨てられていた。
なぜそのように殊勝な態度だったかというと、少なくとも通っていた幼稚園のなかで、おれのように信じ込んでいた阿呆が他には誰もいなかったからだ。
変身サイボーグについてはこちらのブログ主も懐旧されている! この指令マシン、あの当時で1,200円というのはやっぱり高い買い物だったに相違あるまい。