欧米人は風鈴の音がノイズにしか聴こえず、蝉時雨や秋の虫たちの大合唱もただ喧しいだけだという話は随所で聞くが、ひとびとの声の大きさについては日本人よりは喧しさを感じないのだろうか。
それとも鴃舌という貶し言葉があるように異言語には耐えられなくなるのだろうか。がーはっはっはくれいずぃーという欧米人同士の大声はOKでも、静かにぺちゃくる日本人の会話はウッぜーということになるのかしら。
それともTPOの弁えが違うだけのことかしら。
小学校のときハリーハウゼンのシンドバットシリーズを近所の名画座で観ていたら、白人青年らがブーブー大声をあげていたので、傲慢なアメリカ人が日本人観客に喧嘩を売っているに違いないと腹をたてていたのだが、ずっとあとになって、あのひとたちは上映中でもスクリーンに向かって大声で賞賛したり貶したりしながら観賞する癖があるのだと誰かから教えられて、「そりゃかなわんなー」と思うた記憶がある。