おらが通っていたゲーセンは極道のひとが経営していて、ご店主は三遊亭圓歌師匠に似た禿頭のおぢさんで、その奥方とおぼしき方は沢たまきさんに似ていた(特に莨のすい方)。

ご店主はすこぶる温和かつサービス精神旺盛な方で、馬鹿ガキたちが「おぢさん、クレジットいれてくれよぉお」などと増長しても、「しょうがないなぁ……」などと愚痴りながらキーを回してくれ、「よし、おぢさんもひと勝負してみるかな」などと仰るのであったが、たまに、上階から力士・荒勢のような組員がおりてきて、「くみちょー、まるぼーから電話来てやすぜ」とつげなさるやいなや
「まぁああたしとけぇええやあああっっ!」
と、それはもう、学童一同ションベンちびりそうになるくらいな凶顔・凶声に変貌されるのであった。