20年越しの愚痴から思い出すことなど

  • 本日想起シテイタコトトカブッテイルジャナイデスカ!
  • 俺の母校には、高卒で就職して10年以上経ってから入学してはみたものの、周囲の学生たちと周波数が合わず半分ノイローゼになって退学していった人がいたらしい。学生時代その話を聞かされた俺はずいぶんと欝な気分に陥ったものだ。
  • でもその人が退学した理由って、授業料に見合うだけのプログラム内容・学生支援体制etcの欠如が相俟ってのことじゃないかと推察する。
  • その話を教えてくれた友人はこれを“珍奇な出来事”として受けとめているフシがあって、俺はそれについても非常にガッカリしたことを覚えている。
  • いつまでもこの話が忘れられないのは、勉強するための学外活動に参加しておきながら、「楽しくなけりゃヤル気が起きませんっっ」とかヌカす有象無象を後輩として迎えなきゃならなかったという個人的なPTSDを抱えていることも原因となっている。馬や鹿を水呑み場まで連れて行くことはできるけどそのさきは難しい。#とはいえ、「ようし、楽しく トゥールミンモデル 教えちゃうぞう!」って、いまだったらやれる気がする。
  • そんなこんなを思い出すたんびに、天安門事件で逃れてきた(中国の大学院で工学を専攻していた)Mさんのことも連想する。俺たちを前にするときと留学生同士でいるときの彼の表情のギャップが忘れられない。「中国にはまだ帰れないんですよ、いま帰国するとわたし危ないからねー」などと恐ろしく淡々とした口ぶりで話す姿が印象に残っている。世界中に親戚や友人知己のいる中国人って本当に強いのだなと感じさせられたね。
  • そういえば学科内で孤立しがちな俺をいつも気にかけてくれた S さんはいまどうしているのだろう。彼は高校卒業後某大企業に5年勤めたあとに学問を志した人だった。修論フレーゲ をやると語っていた記憶がある。竹田青嗣の入門書を読んで憤慨している姿が可笑しかった。地元は宮城県だったはず……彼の消息を知っているひとがいたら教えて下さい
  • 高卒で一度就職してから入学してきたひとは S さんだけじゃなかった。すくなくとも俺が知っているだけであと2人はいた。それから、なんの因果か名門国立大学の数学科をやめてきた漢もいた――ひとに言えぬ事情があった為か元々変人だったのかいまとなっては確かめようもないけど……(多分後者)。
  • 浮き世離れした学科だったからこそ自由で大人な学生に出会える確率が高かったのかもしれない(って ホントかよ?)。
  • オサレなインテリ言葉でいやあ、まさに、アジールだったのか?
  • ところで敬語というのもやっかいだったな。学年が上だと年齢に関係なく先輩後輩関係。
  • そうだ、仕事やめて入学してきたHさんは、学科の最上級生に堂々と喧嘩売ってたなあ。「おまえアホじゃねーのか?」って。痛快だったねぇ……いま思うと虚しいこと甚だしいけど。
  • ほんと虚しい。たとへば、地元ではへーへー言っている後輩、あるいは、その後輩ですら馬鹿にしているヤカラが大学の先輩だったりすると様々な機微ある状況が出来する……。つくづく不自由なことだよなあ。
  • 「社会に出ればひとまわり年下の顧客に頭さげるなんてことも全然珍しくないわけだから、いってみりゃそれまでの準備期間だね」というふうに気持ちを切り替えていたのじゃないかと推察する。
  • そうだ、のちに宮崎県知事になるひとが、著名人であるにも関わらず普通に大学生活を過ごしている姿が紹介された文章を読んだことがある。そのインタヴュー現場で「あとでノート貸すから」と上級生から声をかけられた彼が後輩然として応えるというシーンがあったと記憶している。インタヴュアーが驚いていると彼は「先輩は先輩ですから」というような言葉を述べついだはずである。
  • 彼が学んでいる場所は軍隊、運動団体、営利団体(役所含む)etcと同列なのか? という、それこそ珍奇な印象を抱いた。
  • いやもちろん、全員フラットに接するべきだ、なんていいたいわけじゃない。それは端的に阿呆だ。俺がうんざりするのは先輩/後輩という習俗的な区分けだ。文化人類学の対象にされちまうような事柄だ。
  • 会社人になるまでの大学という名の桎梏……つくづく不自由だ。死ぬほど退屈だ。
  • いまの大学も同じなんだろうか。3年生から就職活動というキチガイ沙汰はいつか消え去るんだろうか。100年後の子孫たちは我々のことを知ってあきれてほしい。「100年前の人たちは愚かしく不自由だったんだな」と。
  • 西暦2111年の日本人の皆さんがどうか前世紀の我々を変な人たちだと感じていますことを! 我々が丁髷、鉄漿を奇異に感ずるかのごとくに(対照の利かせ方がおかしいですか?)。
  • なんかやばいな。毒づきモードになってきたぞ。明日大幅に削除または修正する可能性があります。
  • もうやめます。暗鬱となるばかりだから。
  • おやすみなさいませ。