っいツた代ハリ

ASDASP)、ADHD、LD系のひとに伝えたいことがあります。昨今の企業は人減らしの悪影響で現場が常に混乱気味であるため、非正規雇用者へのインストラクションも雑駁になりがちであり、また、言語運用能力が欠如した人間が現場を指揮することが珍しくなく、さらには、<顧客・会社・個人>情報保護遵守を強化する流れの中(過去に不祥事を起こした会社などが特にそう)なるべく口頭でのインストラクションで済ませようとする、あるいは、マニュアル類が備えられていたとしても極簡素なものか、あるいは、せっかく大部のものが備えられていたとしても文章力に疑問(問題)のある人間が作成したため、使用する側のフラストレーションを増加させる機能しかはたしていない(∵両義的・曖昧な文の頻出)という、そんな職場(ASD/LDの鬼門)が増えているのではないかと危惧します。
◇なかでも厄介なひとつは、メモ用紙持込禁止・自己所有の筆記用具持込禁止を定めている職場かもしれません。多数派(定型発達者)の人間が耳だけで理解していることに倣ったせいで仕事の手順の理解が捗らず、そのうち周囲から困った人間として認定され、やる気に充ちているにも関わらず勤労意欲がない人間・知的能力に問題がある人間として査定され、派遣期間を大幅に短縮されてしまうケースも多いのではないでしょうか。
◇そこで声を大にして言いたいのはできるだけメモをとれということです。もし会社からオフィス内使用のノートが支給されないのなら、備品のコピー用紙、あるいは、ヤレ紙・ほご紙を利用しましょう。企業は働き手の入れ替えは最小限に留まることを望んでいるし、いつまでも人間の選別などに関わっていたくはないのです(∵コストの問題)。なのでたとえ周囲の人間が“一を聞いて十を知る”タイプに映ったとしても臆せずに「わたしは生産性をあげたいのでメモをとります」ということを最初に表明すべきなのです。その際“私はもの覚えが悪いから”という謙譲的なニュアンスは排除し、“あくまでも生産性を向上したいから”という意図が伝わるようにすべきではないかと思います。
◇そしてメモを取るときは、できることならですが、説明をしている人間が、あなたの書き留めている内容を把握できるようにしてください――他人が想像できない思い込みに嵌っていることが多々あるかと思うので。
◇(吾々?)ASDタイプは、自己評価が極端に低いケースが多いらしいので、どうしても、多数派(定型発達者)と同じようにふるまい、多数派(定型発達者)と同じ条件のもとで同レベルの成果をあげることを目標としがちではないでしょうか? そのために日ごろから精神的にかなりの無理をしているのだ思います。
◇いちいちメモを確認する姿を周囲に見られたくない、あるいは、そうした姿をさらすことが憚られる環境にあるのならトイレで読みましょう! 定められた時間外にトイレに行きにくい環境ならば、休み時間にトイレに行って定期的に確認しましょう! 「いちいちこんなことしなくちゃならないのは自分だけだ......」なんて落胆しないでください。すくなくても当文章の書き手は実践してますよ。
◇メモの内容は具体的な職務手順についてだけに限らず、就業の継続性を阻害する恐れのあることについてはどんなことでも書き留めるべきです。建物内の道順(ごくたまに使用する物置部屋、他部署の特定セクションの部屋etc)に一度でも迷ったことがあれば記憶が鮮明なうちに正しい道順を自分にとって分かりやすく書留めておきしょう! 頻繁に道に迷う人間は多数派(定型発達者)からみて相当信頼できない人間の部類に映るらしいのです。
◆こんなことを書いてみたくなったのも、将棋が趣味だと云う、それこそ顔つきが羽生善治に似ている青年が、まさにアスピーフレイヴァー全開だったため一週間ほどで解雇されてしまったからです。楽しい奴たったので何とかフォローできないものかと念じていたのだけど、担当する仕事が違っていたため接触する機会がほとんどありませんでした。人材についてはずーっと買い手市場のままとなりそうなのでこの先もASD系の人間には辛い状況が継続するだろうなあ。
◆もしたまたまこのブログを訪れたひとでASD/ADHD/LD系の自分に悩んでいる方は、この医師のブログを継続的にフォローしてみては如何でしょう。膨大なエントリとなっているので理解するのに少々骨折りかもしれませんが......。最近ではこの分析に感じ入りました。