近所の古書店にあの懐かしい谷川俊太郎さん訳のコミック版『PEANUTS』が出ていた。あのとき五歳だった俺は、生まれて初めて目にした対訳本に興奮して、親父に頼んで英語の発音をカタカナで書き添えてもらったんだっけ。

同じ時期には、確か講談社からムーミンのコミック本が出ていて、これは飽かずに何度も読んでいた。学生のころもう一度読みたくなったので古本で捜してみたけど全然みつからなかった。何年か前に筑摩書房から発行されていたのを見つけた。でも、あのときに味わった異国情緒はほとんど蘇ってこなくて、ちょっと、というより、かなり寂しい気持ちになった。