天文や

いきなりであるが、2000年は「天文」の上で二つの忘れらない出来事があった。
ひとつは、7月16日の皆既月食である。
この方のHPの情報によると、継続時間が1時間47分もあったのだった。
近所の邸宅地区を抜ける坂道頂上から南空を見上げて観察した、全き銅色に変化した天然衛星の姿を私は終世忘れないだろう。
次回、この惑星に1時間以上の月食継続時間が訪れるのは、たしか、1k年以上先のことであると新聞で読んだ。

もうひとつは、丁度9月16日あたりだったかと思うが、東京上空は雨雲渦巻くように流れ、終日遠雷が鳴り響いていたのであった。それも、私が大好きな、岩石が崩れる系の、ときおり妙にクリスピーに響く類である。
まさに、サウンドスケーピングな一日であり、それが翌日の午前中までも続いたことを覚えている。

「天」が、大きな世紀の終焉を告げている気がして、非常に嬉しく、なんだかんだいって、アニミズムを背景とした文化の国に生まれ育った血が騒いでいるのだろうなあと思ったりしたものだ。