メシ喰うな

午前のTV番組で新聞のクリッピングをやっており、最近の「くさいメシ」は「うまいメシ」になっておるということで、佐藤優『獄中記』から引用した記事を紹介していた。

最後は、元芸人の清水圭(だっけ?)が「これじゃあこれからのVシネマなんかで、ヤクザの親分に、「2・3年うまいメシ喰ってもらえんかのお」って言わせなきゃならない」と落ちを着けたが、どうも拘置所と刑務所を一緒にしているように思えた。

といっても、花輪和一刑務所の中』を読む限り、確かにム所においても文句ナシの御膳ぶりだったようで、彼の筆による詳細な食の記録は、法制史や刑事施設研究に於いても貴重なドキュメントと看做され得るものではなかろうか。

花輪和一が類例のない極めて個性的なマンガ家であることは論をまたないだろうが、リアリズムとシュールレアリズムのアマルガムといってもよい(だろう...)『刑務所の中』を読むたびに、日本マンガの奥深さを再認するのであります。


刑務所の前 (第1集) (Big comics special)

刑務所の前 (第1集) (Big comics special)