神保町

きのうは、神保町を旅してきました。到着は午前10時半ごろ、帰途に着いたのは午後7時近くと、これまでの最長滞在時間だったかもしれません。神田明神例大祭中(神田祭)でありました。

今回は、三省堂でみせてくれた、友人の大人買いに感動です。
トータルで2万7千円のお買いものです。送料無料の宅配サービスを利用せず、4キロgはあるかとおもわれる袋を手に持ち歩く男の姿は、雄姿と評されるべきでしょうか。

彼が買ったものの中で、
『虫こぶ入門 増補版―虫えい・菌えいの見かた・楽しみかた 』、薄葉 重 、八坂書房. が興味深い。さきの連休中に清澄庭園で、イスノキ【柞・蚊母樹】についた「虫こぶ」を観察し、その不思議な、SF的様態に深く印象付けられていたからです。

ざっと開いて、「どのように利用されてきたのか 食べる」というのにびっくり。
ぜひ読んでみたいところですが、ひとが買ったばかりの本を借りるわけにもいかず、もとより貸してくれるわけもないので、近所の図書館から借りることにしました。但し旧版です。

その他には、
『GHQカメラマンが撮った戦後ニッポン 〜カラーで蘇る敗戦から復興への記録〜』、ディミトリー・ボリア + 杉田 米行、アーカイブス出版. が素晴らしかった。
終戦後の日本というのは、視覚イメージにするとどうしてもモノクロになりますが、カラー写真によってとらえられた風景には、白黒写真のような現在との断絶感がなく、半世紀前といまが連続していることを感じさせられます。この感覚にはちょっとびっくりさせられました。といっても、後に彩色処理したかのような、う”ぁーちゃるな印象も混在しいるのですが。
なかでも超個人的な感嘆は、武蔵小山商店街の本屋さんに貼ってある、岩波文庫近刊の広告です(デザインはいまのものとほぼ同じ)。そこに、『人性論 (四) デイヴィド・ヒューム 大槻春彦訳』があるではないですか。思わず、「人性論(四)だよ!」と云う私に対し、友人は、「フん......細かいね......」と冷淡・無表情にいいました。
いま、自分の本棚にあるのを確認すると、昭和27年9月5日第一刷発行とありますので、進駐軍が日本をひきはらった年のワンショットですね。

さて、一方の自分は、つい最近、きっと入手したいと思った本をワゴンで買いました。
ブルトマン、『歴史と終末論』、岩波叢書.
......これはなんと、ブンケンロックサイドで(俳句方面は釣果ゼロ)。
そして、がらんどうの100円棚では、
ブルトマン、『キリストと神話』、新教出版社.

計たったの300円です、うれしいものです。

人類が滅亡しても残ってをって欲しい街、神保町といいましょうか(莞爾)。