»non-title«

昨秋以降、俺は殆ど毎日のようにブックオフに立ち寄っているのではないか?

こないだは途中下車して穂村弘の新装版『シンジケート』を購入した。

大昔知り合いが、中央線沿いにあった古書店で(彼が勤務する会社で)アシスタントを勤めている女子に『シンジケート』(旧版)を買ってあげていたことがあったが(その場には俺もいた)、はたして彼女は、それがまったくもって迂遠なラブレター(代わり)であったことに気づいただろうか。

あの女子はいまどこで何をやっているのだろう。
もうとっくに結婚して既に成人を迎えた子供が二人ばかりいたとしても何の不思議もない話なのではあるが。

»non-title«

駄洒落といえば中原昌也氏だけどさいきん彼の小説は読んでないな。
というより、小説自体読んでないのではないか!?

地下鉄のザジ』は最初のほうをぱらぱら読んで満足してしまう始末……。
でも、ザジをパリ案内するタクシードライバーがガブリエルおじさんだと思いこんでいたのでそれを修正できただけでもよしとする。

»non-title«

社内イチの吝嗇家と噂されるHさん(LD系)は他人に菓子をくばるようなことは一切しない。

乃公様が派遣されたばかりのとき挨拶代わりに『ブラックサンダー』をひとつあげると、「え!? 悪いね、おれはこうーゆー(無駄な)事は絶対しないんだけどね……」と威張って言うので、「いえ、お返しなど一切無用です」と優しく返答してあげたのだが、なにをおもってか乃公様が公休のときに周囲の人間にアメちゃんを配り始め、犬猿の仲のSさん(LD系)から、「いやいやいやいやこんなお心配りなど一切してくださらなくても結構ですっ!」と投げ出すように突き返されてからは、ほんとうにこのような(無駄な)事は一切しなくなったHさん(LD系)なのである。

このことは当時隣席だった口さがない女から聞かされた次第である。

»non-title«

隣席にすわったHさん(LD系)に他人からもらったティラミス風味のチョコをあげ、ついでにマクドナルドからもってきた紙ナプキンもわたしてやると、「これはこれは……いたれりつくせりなことで……」と訝しげな表情で礼をいうので、「イタリアーノオ~、ツクセリーノオ~」と軽妙な駄洒落で返礼してやると、思ったとおり彼は能面の如き表情で「擬似選択性緘黙」を発症させるのであった。